『gente』は、障がいを持つ人の日常や仕事を通して

それがどんな障がいなのか、障がいを持つ人も、持たない人も

すこしでも、ひとつでも障がいついて識り、気づき、考える。

『人を通して障がいを識る』フリーペーパーです。

2018. 3.1  「gente」第3号配布開始しました。

2018.12.1  「gente」協働、はじめます。

一番の読者として。 genteが描く、目指すべき社会。

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2019. 2.1  CAMPFIRE:ファンクラブ プロジェクトスタート!

 表情のクセなのか、それとも感情の表れなのか。彼がそのボールを持つ時、投げる時。その顔は笑っているように見えます。長尾康平さん22歳。彼は脳性まひ、もしくは同程度の四肢機能障がい者向けに考案されたパラスポーツ、「ボッチャ」の選手です。これまでに日本選手権ベスト8やアジアユース大会への出場など、今後を有望視される選手として活躍する一方、高齢者介護施設で利用者の皆さんがレクリエーションとして楽しむボッチャの指導を仕事とし、週2回・片道2時間近くをかけて勤務先まで電車通勤をしています。脳性まひという障がいを持って産まれ、「子どもの頃は、車いすを漕ぐどころかまっすぐに座っているのにも苦労した。」という彼が、経済的にも自立してひとり暮らしをしようと物件探しを始めるまでに至ったのは、ボッチャとの出会いが大きく影響しています。競技をはじめたきっかけや、続けていく中で変わりはじめた仕事や生活に対する考え方などを伺いました。さらに、車いすでの通勤と勤務先での仕事の様子を密着取材。バリアフリーやアクセシビリティについて、現在の状況を実感することができました。

笑顔の理由。彼自身には自覚がないのかもしれませんが、やはりボールに触れる喜びが自然とその表情に現れている、ということなのでしょう。

 長尾康平さんの仕事や生活の上で、柱になっているものは紛れもなくボッチャです。脳性まひのため車いすでの生活をしている彼が、今の勤務先での就労に至ったのはそのスキルが評価されてのことですし、収入の使い道も競技の移動費であったりなど、ボッチャを抜きに彼の生活について語ることはできません。

ー:そもそもボッチャを始めたきっかけというのは、何だったんですか?

長尾康平さん(以下、康平):中学1年生の時、学校の部活、運動部でボッチャをやったことがきっかけです。初めてやった時はなかなか上手くいかなかったんですけど、「これなら自分でも出来る」と思って、今のクラブに入ったんです。

ー:学校の部活で始めたのではないんですね。

康平:支援学校の部活動には、運動部と文化部しかないんです。

ー:運動部と文化部の2つしかなくて、運動部の中にボッチャをやっている人もいれば他のことをしている人もいる、ということですか?

康平:そういうことです。

ー:なるほど、それでは本格的には取り組めないですね。学校の運動部には、他に康平さんが出来そうなものはありませんでしたか?

康平:他にもローリングバレーっていう、普通のバレーと違って、ネットの下にボールを転がすスポーツや、それに似た卓球みたいなものもやっていましたけど。

ー:小学校までは地元の学校に通っていたと伺いました。中学進学を機に支援学校へと変わりましたが、ボッチャと出会ったように、他の面でも違いはありましたか?

康平:そうですね。小学校でもそこそこ友達は出来たんですけど、休み時間はなかなか外に出られなくて、みんなと遊べませんでしたね。中学校からは周りにいろんな障がいの子とかがいて、結構変わりましたね。

ー:支援学校に変わったことで、プラスなことが多かったと感じますか?

康平:まぁ。嫌なこともありますよ。先生に怒られることが増えたりとか。

ー:小学校の頃は、あまり先生に怒られた記憶はないですか?

康平:あんまりそういう覚えはないですね。

ー:ところで、小学生の頃には他のスポーツ経験はなかったんですか?

康平:水泳教室に通ったのと、車いすバスケは体験したことがあります。でも、車いすバスケは僕のような脳性まひとは違う障がいの人がやっていたので、なかなか周りの人についていけなくて。

ー:その後、ボッチャに出会うわけですね。

康平:ようやく、他の人と競い合えるものに出会えたから。嬉しかったです。

ー:中学に入るまでは、自分に合う競技を見つけることが出来なかったんですね。ボッチャと出会ってから、なにか変わった部分はありますか?

康平:最初は上手くいかなくて、色々と考えながらやってました。どうしたら上手くなれるか。

 

 「初めてのめり込めるものを見つけた」という気持ちだった、と当時のことを振り返ってくれた康平さん。競技について伺ってみました。

ー:ボッチャを始めてから現在まで所属している今のクラブですが、練習環境としてはどうですか?

康平:違うクラスの選手にはパラリンピックに出た選手もいるんですけど、同じ手投げのクラスはそうでもなくて。自分にもまだまだな所を感じているから、今のクラブと違って、大会で対戦した相手の方のクラブにお邪魔させてもらって一緒に練習させてもらったりとか、やり始めました。

ー:「上手くなりたい」という気持ちを、実際の行動にうつしているんですね。まだ22歳ですから今後の競技人生もまだまだ長いと思いますが、競技者としての目標というのは?

康平:まずは出来るだけ続けたいです。東京パラリンピックっていうのはもう来年だから、今の所難しいですけど。やっぱりパラリンピックは憧れの舞台ですから。出たいという願望はあるし、それだけでは終わらないですから。

ー:「いつかは出られる」と感じられていますか?現時点での手応えというか、展望は。

康平:正直言うと、まだ自信はないんですよね。ボッチャって頭脳戦だから、細かく投球スタイルを変えないといけない時もあって。そこの戦術や判断力を強化していけるよう頑張りたいと思っています。

ー:一方で、最近はボッチャ体験会などのイベントも各地で開催されています。競技の普及に関してはどう考えていますか?

康平:結構、参加している方です。健常者の方にも知ってもらいたいというのはあります。

ー:競技に普及にと、常にボッチャが生活の中心にあるんですね。

康平:そうですね。人生のひとつでもあります。

ー:ボッチャのスキルは仕事にも繋がっていますね。勤めはじめて2年ほどになると伺いましたが。

康平:最初はやっぱり…老人ホームだから(利用者がルールを)わかってくれるかなと心配したんですけど、2年続けたことで、楽しみにしてる方も出てきました。念のために簡単なルール説明は今でもしています。楽しんでくれているのはいいなと思うし、やりがいもそれなりに感じています。できる限りは続けていきたいですね。

ー:充実している今の環境ですが、今後ほかの仕事をすることを考えたことはありますか?

康平:そう言えばリハビリの先生(※1)に「公務員やってみたら」と勧められました。「時間が空いている時にちょっと勉強してみるのもいいんじゃない?」って。それも考え始めています。

ー:リハビリの先生は康平さんなら事務仕事もできる、と考えてのことなんでしょうね。それを聞いた時はどう思いました?

康平:その時は、それもアリかなぁとは思いましたけど、言い訳に聞こえますけどまた最近忙しくなって。ちょっとタイミングが難しいかなぁと。だから今は新しいことにチャレンジするよりも、目の前にあることを一生懸命やりたいっていう気持ちです。とりあえず今の仕事を目一杯やる、っていう考えです。

ー:今の仕事につく以前、高校を卒業した後はB型(※2)に行かれていたんですよね?

康平:高2の時、進路相談の実習で行って、そこでお世話になったっていうのもあって。これなら出来そうだな、と思って行きました。

ー:高校卒業後は就職を考えていたということですが、何か希望する職業はあったんですか?

康平:希望よりも、働けるならなんでも、っていう。働けないよりも働く方が幸せなのかなと思って、希望よりも出来ることをやろうと。

ー:進路相談の時に、選択肢は多くはなかったですか?

康平:学校の進路相談では、良くてA型かB型しかなくて。でも、その時はみんなも大学とか色々と決まってたから、ちょっと焦ったんです。だから働けるならもうなんでもいいと。なりふり構っていられなかったから。

ー:就労すること自体を優先したんですね。実際行ってみて、B型での仕事はどうでしたか?

康平:最初はあまり慣れなくて、長く働いている人の真似をしてみたりで、いっぱいいっぱいでした。ある程度慣れてくるとペースもつかめて、そこは良かったです。

ー:仕事にも慣れてきたのに、結局は再度、就職先を探すわけですよね。

康平:一年半くらいは一生懸命やったんですけど、でもそこは出来高制で、もらえる工賃が少なかったから「これだけじゃボッチャの活動費は払えないな」と思って。もう少しいい所、と思っていろいろ動いた結果、今の老人ホームにたどり着いたって感じです。

ー:新しい仕事が見つかったときはどうでした?

康平:働けるのは嬉しかったけど、「僕なんかに大丈夫なのかな」っていう気持ちもありました。

ー:かなり遠くまで通うことになりましたが、通勤についてはどう考えていたんですか?

康平:最初は父が付き添ってくれたんですけど、3、4回くらいで慣れて来て。今は一人で通勤できています。そのことは自信にはなりましたね。

□CAMFIREファンクラブ…¥620(月額)

 クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE/ファンクラブ」からの

 継続ご支援です。詳細は下記urlをご覧下さい。

   https://camp-fire.jp/projects/view/113522

□団体企業協賛S…¥300,000(年間/1口)

 webサイトおよび誌面に広告(中)を掲載いたします。

□団体企業協賛G…¥600,000(年間/1口)

 webサイトおよび誌面に広告(大)を掲載いたします。

□団体企業協賛U…¥1,000,000(年間/1口)

 webサイトおよび表紙面に広告(特大)を掲載、タイトルに

 「Supported by〜」と社名記載いたします。

いつの頃からか、漠然とした疑問を感じていました。

「なぜ、いつまでたっても障がい者は『特別な人』のような描かれ方をされるのか」

「なぜ、社会において障がい者との接点が少ないのか」

 

注目を集めるパラアスリートを、どこか特別な人のように扱っているのではないか。

行動する障がい者を「かわいそうな人が頑張っている」ように観ているのではないか。

その行動を過度に美化、賞賛し、安易な感動の対象として消費し侮辱しているのではないか。

 

「障がい者」という言葉で、皆が自分と区別しているのではないか。

 

印刷物制作に長く携わってきた私は

「フリーペーパーを創りたい」という想いを持ち続けていました。

この二つが結びついたとき、自分の識りたいことを扱って、

自分のやりたかったことが出来るかもしれない。

そう考えてこのgente編集部を立ち上げることにしました。

 

この「gente」の一番の読者は私です。障がいの専門知識も何もない、

どこにでもいる感覚の持ち主が、その目線で識りたいことを取材していくつもりです。

団体名

所在地

設立

活動内容

団体員

代表

非営利活動団体 gente編集部

〒271-0064 千葉県松戸市

2017年11月11 日

フリーペーパー「gente」の発行および関連する事業

役員1名

大澤元貴

2020年東京オリンピック・パラリンピックを前に、パラスポーツやパラアスリート、

そして「バリアフリー」「ノーマライゼイション」「ユニバーサルデザイン」

「アクセシビリティ」などの障がいや社会福祉に関わる言葉が広く一般に

認知されるようになり、社会的な関心を集めるようになりました。

ではそれらの言葉が指し示す社会とは、具体的にどんなものなのでしょうか?

 

どんなひとのために、どのような事が必要なのでしょうか。

インフラや行政的な制度を整えれば、それでよいのでしょうか。

 

「障がい」と呼ばれるものには、身体/知的/発達/精神…様々あります。

それらを重複して持つ人や、程度や経緯も人それぞれ違います。

それぞれを尊重し、共に暮らし、活動するひとりひとりがそれを知らずに

バリアフリーやノーマライゼイションは、達成できるのでしょうか。

アクセシビリティは、確保されるのでしょうか。

 

インフラや制度の整備も重要です。しかし、まずはひとりひとりがすこしでも、

障がいについて識り、考えることこそが必要なのではないでしょうか。

 

「gente(ヘンテ)」は障がいを持つ人々に話を聴き、その人の目線を通して

その障がいについて識る、というコンセプトで発行するフリーペーパーです。

障がいを持ち生きるうえで、何が難しく、何には困っていないのか。

ひとりでも多くの方が彼らのリアルな声に触れ、

識る機会となることを目指しています。

理想とする社会の姿は、あらゆる人にアクセシビリティが確保され

バリアフリー、ノーマライゼイションといった

社会福祉に関わる言葉が必要のない社会になることです。

インフラや制度の整備はもちろん重要なことですが

障がいを持つ人持たない人、お互いがお互いを識り、

もっと自然に、あたり前に支えあう気持ちを表現できれば

わざわざ社会福祉に関わる言葉を使う必然性もなくなるでしょう。

 

そんな社会を目指すための、はじめの一歩として。

『gente』は情報を発信し続けていく媒体として、貢献できればと考えています。

「genteを作ってみたい!」「genteの運営を手伝いたい!」

「何ができるかわからないけど、何かしたい!」

  なんでも結構です。あなたにできることで、gente編集部に関わってみませんか?

   ※職員募集ではありません。基本的にボランティアスタッフとなります。

ひとりでも多くの人に「gente」を手に取っていただくために「gente」を置いて

いただけるスペースを募集しています。お店、学校、イベント会場、公共施設…

どんな場所でも、何部からでもできる範囲で結構です。

「gente」はNPO団体が制作するフリーペーパーです。

今後発行を継続するために、皆さまからの協賛金を必要としています。

学生の頃からぼんやりと考え始めた、という一人暮らし。なぜ今それを実行しようとしているのか、その理由や将来ののことなど、今の考えを語っていただきました。

さらに長尾さんの通勤と仕事の様子を密着取材。車いすでの就労やバリアフリーやアクセシビリティについて、現在の状況を実感することができました。

そしてcampfire支援者限定コンテンツ「gente:Adición」テーマは「家族」。長尾さんのお父様にインタビューし、生まれた時のこと、成長するにつれて、競技を始めてから、そして将来に希望すること…さまざまに語っていただきました。

※当該号に掲載する場合、発行一ヶ月前までに希望部数をご連絡ください。

※発送ご希望の場合は着払いとなります。送料はお客様ご負担となります。

お問い合わせ・詳細はコチラから

ボッチャが導いてくれた道と、得た自身。
探し続けた、「自分にも出来るもの。」 …『自立は当然のこと」という、ごく普通のその理由』へつづく。 「参加する人」が必要です。 「場所」が必要です。 「支援」が必要です。

gente編集部と協働することで、genteのクリエイティブワークを

あなたの活動に活用することができます。

どんな形で参加・協働するかはアイデア次第。

皆さんにできる方法で、gente編集部を支えてください。

かわりにgente編集部が、みなさんのクリエイティブをサポートします。

詳細はお気軽にお問い合わせください。

「gente」 協 働はじめます。
「gente」のクリエイティブワークを、あなたの活動に活用しませんか? フリーペーパーを わざわざ買うって、どういうこと? 発行ごとに有志でできる。気軽な支援のカタチです。

「gente」をお買取りいただいた上で、フリーペーパーとしての配布にご協力をいただくシステムです。「gente」を応援したいけど、協賛まではちょっと…という方々にぴったりの支援方法です。イベント会場や公演での配布など、どんな配布方法でも結構です。ご協力いただいた際は当該号の誌面およびHPに「有償配架協力先」として掲載されます。また、発行号ごとに有償/無償配架を選択することも自由にできます。協賛よりも気軽に「gente」を支援することができる有償配架を、ぜひご検討ください。

2018.5.1 創刊準備号/聴覚障がい 「いつまでも保護のままではいられない」 「がんばりたいのは営業トーク」
2018.9.1 創刊号/視覚障がい 「おにぎりの中身は、食べてからわかります」 「今日、ついていっていいですか?」
2018.12.1 第2号/精神障がい 「天井を見つめる日々の、先に掴んだ日常」 「はじめての自転車を、見守る気持ち」
2019.3.1 第3号/脳性まひ 「ようやく出会えた、人と競い合えるもの」 「今日、ついていっていいですか?」

(※1)障がいがわかった1歳〜高校生くらいまで、作業療法(=生活動作の訓練)と言語食事療法(=発声・食事や嚥下の訓練)を受けていたそうです。理学療法(=運動機能の維持改善)は現在も継続しているとのことでした。

(※2)B型就労継続支援施設のこと。就労継続支援施設にはA型とB型があり、A型では継続的な雇用契約を結び最低賃金以上の給与を支給される。B型には雇用契約は必要なく、通所して軽作業などを行うことで決められた工賃を受け取ることができる。工賃は給与とは区別されるので各自治体の最低賃金に従う必要はなく、下回る場合が多い。